立体映像の撮影方式には、交差法と平行法の2種類があります。交差法とは左右のカメラの光軸を交差させる方式で、平行法とは左右のカメラの光軸を平行にする方式です。人間が物を見るような眼の状態に近い交差法が、一般的に立体映像の撮影に使われています。
図1 立体映像の撮影方式
光軸の交点、クロスポイント
交差法を用いた撮影では、カメラの光軸の交点、「クロスポイント」をどこに合わせるか決める必要があります。クロスポイントの位置によって得られる立体感が変わってきます。
クロスポイントの位置にある被写体は、3D映像をモニタに映したときに、画面上に再生されます。クロスポイントよりも手前にある被写体は画面よりも飛び出して見え、それよりも奥にある被写体は画面よりも奥に見えることになります。
もしクロスポイントを極端に遠い位置に設定したとすると、多くの被写体が飛び出して見えるような、飛び出し感の強い映像になります。このような映像はあまり望ましくありません。
このように、撮影時の設定により鑑賞時の立体感が変わってくるため、交差法による3D撮影においては、クロスポイントをどこに設定して、鑑賞時に被写体をどのくらいの位置に再生させるかといった、立体感の調整を行うことが必要になります。
3D映像撮影時の注意点
先述の通り、立体像の過度な飛び出しは鑑賞者に視覚負担を与えます。過度に飛び出した立体像を長時間見続けると、環境によっては眼の痛みを訴えるほどの影響を与えることがあります。
一方で視覚負担を少なくしようと、奥行き量を少なくしていくと平面映像に近づき、立体映像としての魅力が失われてしまいます。 立体映像の魅力を引き出すような適度な輻輳角・視差の調整を行うことが、3D撮影における非常に重要なポイントです。
図3 立体映像コンテンツにおける安全性と快適性
また、左右の映像において垂直視差のある3D映像は避けるべきで、好ましくない映像です。垂直視差とは、左右映像の対応点の垂直方向のずれのことです。自然視においては、左右の眼で垂直方向にずれていない同一の点を注視するので、垂直視差のある映像はきわめて不自然な視覚状態になり、視覚負担も与えます。
図4 垂直視差のある3D映像
フローベルの3Dカメラ取付用リグ「3DC-200M」は平行式を採用しているため、極端な垂直視差は起こりづらく、微調整もしやすい設計になっています。
図5 3DC-200M
また、左右の映像特性を同じにすることも重要です。映像特性は、色合い、明るさ、フォーカス位置といったものです。
これらに注意し撮影することで、鑑賞者への負担が少なく高品質な3D映像を制作することを心掛けると良いでしょう。